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InfluxDB 3のオープンソース版が一般提供(GA)に到達

原文リンク(2025-04-16)

InfluxDataのエンタープライズ版のGA版をリリースしてから2年、オープンソース版も成熟の域に達した。リアルタイムのワークロードと実行のしやすさをコンセプトにしたコア版は、長期的なストレージの最適化、コンパクションや高可用性(HA)、リードレプリカ、きめ細かなアクセス制御といった機能を省いている。

データ製品の第3版は、従来のデータストレージ機能の範囲を超えたものだ。PythonのVMが組み込まれており、開発者はリアルタイムデータの収集、処理、アラートの方法を拡張ができる。InfoQは、InfluxDataの共同設立者兼CTOであるPaul Dix氏に、オープンソース版とエンタープライズ版との比較や、どちらを使うべきかをより理解するためにコンタクトを取った。

InfoQ: 読者のために時間を割いて質問に答えてくれてありがとう。まずは自己紹介とInfluxDataでの日々の業務について説明してほしい。

Paul Dix氏私は、時系列データベースInfluxDBの生みの親であるInfluxDataの創設者兼CTOです。最終的に私の仕事は、技術的に、そして開発者コミュニティに対する我々の見せ方において、正しい方向性を保ち続けることです。

InfoQ: エンタープライズ版と並行してオープンソースのデータベース版を開発することになったきっかけは?

Dix氏:インフラストラクチャーソフトウェアは、オープンで、ハッキング可能で、自分の条件で簡単に実行できるものであるべきです。だからこそ、オープンソースはあらゆる製品の基盤だと信じています。コア版から始めて、システムをブートストラップし、スケールアップして要件が変わってきたら(長期的なクエリ、高可用性、マルチノードのデプロイが必要になったら)、エンタープライズ版を使うことができます。コア版は基盤として無限のカーディナリティをサポートするよう構築され、また「ディスクレス」アーキテクチャで設計されています。エンタープライズ版は、商用ワークロードのための複雑な機能を追加しています。

InfoQ: エンタープライズ版と比較して、オープンソース版を使用する場合、ユーザーはどのような課題や制限に注意する必要があるのか?

Dix氏:InfluxDB 3 Coreは、エッジデータの変換、ストリーミング分析、センサーベースのアラートなど、低レイテンシーでの洞察が重要なユースケースのようなリアルタイムワークロード向けに最適化されています。このコアは、ローカル開発、エッジデバイス、または軽量なモニタリングセットアップのための強固な基盤を提供すると考えられています。しかし、エンタープライズは、より複雑な履歴クエリーや複数ノードにまたがるスケーリングに適しています。また、ホビーユーザーや家庭での利用を想定した無料のエンタープライズ版があります。単一ノードとして動作し、コンパクションエンジンなどの機能を備えています。

InfoQ: この分野の他のプレーヤーと比較して、データベースはどうなのか?

Dix氏:我々は、時系列に適応した他の汎用エンジンを望んでいませんでした。私たちの経験に基づき、Influxdb 3を時系列データ専用に設計し、高い取り込みレート、低レイテンシーのクエリ、効率的なデータ圧縮を目指しました。FDAPスタック(Flight、DataFusion、Arrow、Parquet)を使用し、データエコシステムの統合を促進することを目指しました。

InfluxDB 3はデータパイプラインのアクティブレイヤーであり、組み込み処理エンジンを介して計算とストレージを統合します。他の時系列データベースとは一線を画し、Pythonによるデータ変換やSQLクエリの機能を備え、シングルプロセス操作と水平スケーリングをサポートしています。

InfoQ: 書き換えの経験はどうだった?

Dix氏:時系列データベースをゼロから書き直すのは、軽い気持ちでできることではないです。真の複雑さは、すべての設計目標、つまりオブジェクトストレージを永続化レイヤーとしてサポートし、ミリ秒単位のクエリーレイテンシーを実現し、汎用SQLエンジンの上で動作し、シンプルな操作性を維持するという目標を、一度に達成しようとしたことから生じました。

InfoQ: InfluxDataの次のロードマップは?コア版では何が利用可能になるのか?

Dix氏:我々は、InfluxDB 3 CoreとEnterpriseのもっとも重要な部分の一つであるProcessing Engineに多大な投資をしている。Processing Engineは、データベースができることの根本的な転換を意味しています。

従来、データベースは受動的なもので、データを書き込み、後でクエリを実行するものでした。データベースはもっと多くのことができるはずです。なので我々はProcessing Engineに多大な投資を行っており、InfluxDBを、流れ込んでくるデータに反応できるアクティブなインテリジェンスエンジンに変えることを目標としています。

Processing Engineは、データベース内に直接組み込まれた軽量のPython VMです。ユーザーは、すでに知っているコードを使用して、リアルタイムの異常検知から、スケジュールされたレポート、カスタムETLフローまで、あらゆるものをデータベース内で構築ができます。

InfluxDB 3 Coreデータは、エンタープライズ版と同じエクスペリエンスを提供することを約束している。しかし、エンタープライズ版で追加されたストレージの最適化、圧縮、HA、リードレプリカ、きめ細かなアクセス制御はない。より深く関わりたい人は、GitHubリポジトリで課題やPRをオープンするか、Discordチャンネルでチャットができる。

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